社会保険料の計算方法を徹底解説
毎月の給与明細を見て、「社会保険料ってこんなに高いの?」「どうやって計算されているの?」と思ったことはありませんか?
社会保険料は、給与の約14〜15% を占める大きな控除項目です。仕組みを知っておくと、今後のライフプランを考える上でも役立ちます。
この記事では、社会保険料の計算方法や年収別の金額目安、会社との負担割合までわかりやすく解説します。
社会保険料の種類
会社員が加入する社会保険は、大きく分けて以下の4種類です。
| 種類 | 内容 | 備考 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 病気やケガの医療費負担 | 協会けんぽまたは健康保険組合 |
| 厚生年金保険 | 老後の年金給付 | 国民年金より多くもらえる |
| 雇用保険 | 失業時の給付 | 会社都合・自己都合で給付期間が違う |
| 労災保険 | 仕事中のケガの補償 | 全額会社負担 |
このうち、労災保険は全額会社負担 なので、給与から天引きされることはありません。
社会保険料の計算の基本
社会保険料は、「標準報酬月額」に「保険料率」をかけて計算されます。
社会保険料 = 標準報酬月額 × 保険料率
標準報酬月額とは?
標準報酬月額は、給与の額に応じて決まる等級 のことです。
- 毎年4月・5月・6月の給与の平均額で決定
- 決定された等級が9月から翌年8月まで適用
- 給与が大きく変わった場合は、随時改定されることも
例えば、月給25万円の人は標準報酬月額が26万円(17等級)になります。
保険料率は?
保険料率は、保険の種類や加入している健康保険によって異なります。
令和7年度(2025年度)の保険料率(協会けんぽ東京の場合):
| 種類 | 保険料率 | 会社負担 | 個人負担 |
|---|---|---|---|
| 健康保険 | 10.00% | 5.00% | 5.00% |
| 厚生年金保険 | 18.30% | 9.15% | 9.15% |
| 雇用保険 | 0.60% | 0.40% | 0.20% |
| 合計 | 28.90% | 14.55% | 14.35% |
健康保険と厚生年金は折半(半分ずつ)、雇用保険は会社が少し多く負担します。
健康保険組合に加入している場合は、保険料率が異なるので、自分の加入している組合の料率を確認しましょう。
年収別の社会保険料の目安
具体的にいくらくらいになるのか、年収別の目安をまとめました。
月額の社会保険料の目安
| 年収 | 標準報酬月額 | 健康保険 | 厚生年金 | 雇用保険 | 個人負担合計 |
|---|---|---|---|---|---|
| 300万円 | 22万円 | 11,000円 | 20,130円 | 440円 | 31,570円 |
| 400万円 | 30万円 | 15,000円 | 27,450円 | 600円 | 43,050円 |
| 500万円 | 38万円 | 19,000円 | 34,770円 | 760円 | 54,530円 |
| 600万円 | 46万円 | 23,000円 | 42,090円 | 920円 | 66,010円 |
| 700万円 | 54万円 | 27,000円 | 49,410円 | 1,080円 | 77,490円 |
| 800万円 | 62万円 | 31,000円 | 56,730円 | 1,240円 | 88,970円 |
年間の社会保険料の目安
| 年収 | 個人負担(年間) | 会社負担(年間) | 合計 |
|---|---|---|---|
| 300万円 | 約38万円 | 約38万円 | 約76万円 |
| 400万円 | 約52万円 | 約52万円 | 約104万円 |
| 500万円 | 約65万円 | 約66万円 | 約131万円 |
| 600万円 | 約79万円 | 約80万円 | 約159万円 |
| 700万円 | 約93万円 | 約94万円 | 約187万円 |
| 800万円 | 約107万円 | 約108万円 | 約215万円 |
年収の約14〜15%が社会保険料として天引きされる と覚えておくと良いでしょう。
正確な金額を知りたい方は、社会保険料計算器で計算してみてください。
計算の具体例
例として、年収500万円(月給40万円+ボーナス2ヶ月分) のケースで計算してみましょう。
ステップ1:標準報酬月額を求める
月給40万円の場合、標準報酬月額は41万円(等級23)になります。
ステップ2:月額の社会保険料を計算
| 種類 | 計算式 | 金額 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 41万円 × 5.00% | 20,500円 |
| 厚生年金 | 41万円 × 9.15% | 37,515円 |
| 雇用保険 | 41万円 × 0.20% | 820円 |
| 合計 | 58,835円 |
ステップ3:ボーナスの社会保険料を計算
ボーナスにも社会保険料がかかります。ボーナス2ヶ月分(80万円)の場合:
| 種類 | 計算式 | 金額 |
|---|---|---|
| 健康保険 | 80万円 × 5.00% | 40,000円 |
| 厚生年金 | 80万円 × 9.15% | 73,200円 |
| 雇用保険 | 80万円 × 0.20% | 1,600円 |
| 合計 | 114,800円 |
ステップ4:年間合計を計算
- 月額合計:58,835円 × 12ヶ月 = 706,020円
- ボーナス分:114,800円
- 年間合計:約82万円
年収500万円の約16.4%が社会保険料になります。
よくある質問
Q. 社会保険料は毎月同じ金額ですか?
基本的には、標準報酬月額が同じであれば毎月同じ金額です。
ただし、以下の場合は金額が変わります:
- 4月〜6月の給与で等級が変わり、9月から更新される
- 給与が大きく変動して随時改定される
- 年度の途中で保険料率が改定される
Q. ボーナスからも社会保険料は引かれるの?
はい。ボーナス(賞与)からも社会保険料が天引きされます。
ボーナスの場合は「標準賞与額」に保険料率をかけて計算します。
Q. 退職したら社会保険はどうなるの?
退職すると、会社の社会保険から脱退します。その後は:
- 次の会社が決まっている → 新しい会社の社会保険に加入
- すぐに働かない → 国民健康保険 + 国民年金に切り替え
- 失業給付を受ける → 雇用保険の基本手当がもらえる
社会保険の切り替え手続きは忘れずに行いましょう。
Q. 扶養家族がいる場合は?
扶養家族(配偶者や子供など)がいる場合も、健康保険の保険料は加入者1人分だけ です。
扶養家族を追加しても、保険料が増えることはありません。
ただし、扶養に入るためには年収の条件(130万円未満など)があります。
Q. 40歳を超えると介護保険料がかかるの?
はい。40歳以上65歳未満 の方は、介護保険料も一緒に徴収されます。
介護保険料率は健康保険料率に含まれている場合が多いので、加入している健康保険の料率表で確認してみましょう。
まとめ
- 社会保険料は「標準報酬月額 × 保険料率」で計算
- 個人負担は年収の約14〜15%
- 健康保険・厚生年金は会社と折半
- ボーナスにも社会保険料がかかる
- 標準報酬月額は年に1回(4〜6月の給与で決定)
社会保険料は大きな負担ですが、将来の年金や医療の保障につながっています。仕組みを理解して、上手に家計を管理しましょう。
正確な金額をシミュレーションしたい方は、社会保険料計算器をどうぞ。