確定申告をしないとどうなる?知っておくべきペナルティとリスク
「確定申告、めんどくさいからやらなくてもばれないだろう…」そう思っていませんか?
確定申告をしないと、無申告加算税や延滞税といったペナルティが課されるだけでなく、最悪の場合は刑事罰の対象になることもあります。
この記事では、確定申告をしないと具体的にどうなるのか、ペナルティの種類や時効、ばれた場合のリスクまで詳しく解説します。
そもそも確定申告が必要な人とは?
まず、確定申告が必要な人の主なケースを確認しましょう。
- 年間の給与収入が2,000万円を超える会社員
- 副業など給与以外の所得が20万円を超える人
- 個人事業主・フリーランス
- 不動産賃貸収入がある人
- 株や投資信託の譲渡益がある人(特定口座以外の場合)
- 医療費控除やふるさと納税など、還付を受けるために確定申告が必要な人
- 年末調整をしていない人
「20万円以下だから確定申告しなくてもいい」は給与所得者の副業に限った話 です。個人事業主の場合は所得金額に関わらず申告が必要です。
確定申告をしないとどうなる?主なペナルティ
確定申告をしないでいると、以下のようなペナルティが課される可能性があります。
1. 無申告加算税
確定申告の期限(通常3月15日)までに申告しなかった場合、本来納めるべき税金の額に対して、追加で税金が課されます。
| ケース | 無申告加算税の割合 |
|---|---|
| 自主的に期限後申告した | 5% |
| 税務署の調査で指摘された | 15%(50万円以下の部分) 20%(50万円を超える部分) |
| 前々年分も無申告の場合 | 25%(50万円以下の部分) 30%(50万円を超える部分) |
早めに自主申告すれば、ペナルティは5%で済みます。 調査が入ってからだと15〜20%、さらに悪質だと判断されると25〜30%にまで上がります。
2. 延滞税
税金を期限までに納めなかった場合、利息のような形で追加で課される税金です。
延滞税の利率は年率で変動しますが、年率約8%前後 が目安です。日割りで計算されるので、遅れれば遅れるほど金額が大きくなります。
例えば、100万円の税金を半年(180日)遅れて納めた場合:
100万円 × 8% × 180日 / 365日 ≒ 39,452円
約4万円の延滞税が追加でかかります。
3. 不動産差し押さえ・給与差し押さえ
税金を滞納し続けると、最終的には財産の差し押さえ が行われます。
具体的には:
- 銀行口座の差し押さえ:預金が強制的に引き落とされる
- 給与の差し押さえ:毎月の給与の一部が天引きされる
- 不動産・動産の差し押さえ:家・車などが差し押さえられ、競売にかけられる
差し押さえは予告なしにいきなり行われる こともあるので、注意が必要です。
4. 刑事罰(脱税)
悪質な脱税とみなされた場合、刑事罰 の対象になります。
- 懲役:最高10年
- 罰金:最高1,000万円
- 両方が併科されることもある
もちろん、数百万円規模の少額の無申告でいきなり刑事罰になることは稀ですが、億単位の脱税や組織的な脱税はもちろん、悪質だと判断されると告発される可能性 があります。
5. 社会的信用の失墜
税金の滞納は、税金の納付状況が公開されたり、銀行融資の審査に影響したりすることもあります。
- マイナンバーで紐付けられるため、他の行政サービスにも影響する可能性
- 法人の場合:会社の信用が失墜し、取引に影響する
- 個人事業主の場合:顧客からの信用を失うリスク
「ばれないだろう」は通用しない理由
「副業くらいばれないだろう」「少額なら大丈夫」と思っていませんか?
実は、最近はマイナンバー制度やIT化の進展で、以前よりも無申告がばれやすくなっています。
ばれるきっかけの例
- マイナンバー制度:すべての収入がマイナンバーで紐付けられ、税務署が照合できる
- 銀行口座の調査:大金の動きがあると税務署から調査が入る
- 源泉徴収票の照合:複数の会社から給与をもらっている場合、源泉徴収票のデータからばれる
- 匿名の情報提供:第三者からの情報提供でばれるケースも
- SNSやブログ:収入を匂わせる投稿からばれることも
- 不動産登記:不動産を所有していると、賃貸収入がないか調べられる
特に副業が会社にばれるパターン で多いのは、住民税の金額です。副業の分だけ住民税が上がるため、会社の給与担当者が金額の違いに気づいてばれることがあります。
還付の場合でも申告しないと損する!
「確定申告しなくてもペナルティないでしょ?」と思っている方、特に還付申告の場合 は注意が必要です。
還付申告は義務ではないため、申告しなくても罰則はありません。しかし、時効で還付金が受け取れなくなります。
還付申告の時効
還付申告ができる期間は、その年の翌年1月1日から5年間 です。
例:令和5年分(2023年分)の確定申告 → 令和10年(2028年)12月31日まで
この期間を過ぎると、いくら払いすぎていても還付金は一切受け取れなくなります。
医療費控除やふるさと納税、住宅ローン控除など、「還付を受けられるはずだったのに申告し忘れていた」というケースは意外と多いので、注意しましょう。
もし過去に申告していない年度があったら?
「過去何年か確定申告していない年度がある…」という方は、できるだけ早く自主的に申告することをおすすめします。
自主申告のメリット
- 無申告加算税が軽減される(通常15〜20% → 5%)
- 税務調査が入るリスクが下がる
- 刑事罰のリスクが大幅に下がる
過去5年分まではさかのぼって申告できます。青色申告の特典などは受けられない場合もありますが、何もしないよりはずっとマシです。
不安な場合は、税理士に相談してみましょう。
確定申告がめんどくさい人のためのヒント
「めんどくさいからやりたくない」という気持ちはよくわかります。少しでも負担を減らすコツを紹介します。
1. 確定申告ソフトを使う
freeeやマネーフォワード、弥生の確定申告ソフトを使えば、質問に答えていくだけで自動的に申告書を作成してくれます。
2. e-Taxで提出する
e-Tax(電子申告)なら、自宅からオンラインで申告が完了します。還付も早くなるメリットがあります。
3. 記録をこまめにつける
一年分をまとめてやろうとすると大変です。毎月少しずつレシートを整理したり、会計ソフトに入力したりする習慣をつけると、年末が楽になります。
まとめ
- 確定申告が必要な人が申告しないと、無申告加算税や延滞税 が課される
- 悪質な場合は財産の差し押さえ や刑事罰 の可能性も
- 「ばれないだろう」は通用しない。マイナンバーや照合システムでばれる確率は高い
- 還付申告にも5年の時効 がある。過ぎると還付金が受け取れない
- 過去に申告していない年度がある人は、できるだけ早く自主申告 するのが得策
確定申告はめんどくさいですが、やらないリスクの方がはるかに大きいです。毎年しっかり期限内に申告しましょう。
所得税の計算が気になる方は、所得税計算器で簡単にシミュレーションできます。