偏差値は、得点がその集団の平均から標準偏差何個分離れているかを、平均50・標準偏差10の尺度で表す数字です。100点満点に対する得点率とは別で、異なる受験者集団をそのまま比較するための絶対的な学力尺度でもありません。
計算に必要な3つの値
自分の得点、同じ試験・同じ集団の平均点、標準偏差を用意します。式は「50+10×(得点−平均点)÷標準偏差」です。
平均60点、標準偏差10点の場合:
| 得点 | 計算 | 偏差値 |
|---|---|---|
| 75点 | 50+10×15÷10 | 65 |
| 60点 | 50+10×0÷10 | 50 |
| 45点 | 50+10×(−15)÷10 | 35 |
標準偏差が0、つまり全員同点なら、この式では0で割るため計算できません。自分の点数だけから標準偏差を推測することもできません。
得点差が同じでも標準偏差で変わる
平均60点で70点を取った場合、標準偏差5点なら偏差値70、15点なら約56.7です。「平均より10点高い」という情報だけでは偏差値は一つに決まりません。
偏差値計算では標準偏差まで入力します。成績表に値がない場合は、試験実施元の資料を確認してください。
偏差値50は必ず真ん中の順位か
偏差値50は平均点と同じという意味です。中央値と平均は一致しないことがあり、順位のちょうど中央とは限りません。
偏差値60が上位約15.9%、70が上位約2.3%という換算は、得点分布を正規分布とみなした近似です。満点付近に偏る試験、人数の少ない集団、同点が多い試験では、そのまま実際の順位に読み替えられません。正確な順位には全体の得点分布が必要です。
志望校判定では模試の条件もそろえる
同じ偏差値でも、模試会社・受験者層・科目・配点が変われば意味が違います。大学のボーダー値は合格者全員の最低点とは限らず、各実施元が定める合格可能性の基準を確認します。
「自分より高い偏差値の学校だから安全」とは判断できません。科目別の不足、過去問の配点、入試方式、成績の変化と合わせて検討します。偏差値の上げ下げだけを追うより、同条件の成績表で失点分野を確認するほうが次の学習を決めやすくなります。